「テモる」という言葉、最近SNSで見かけたことはありませんか?
じつはこの言葉、鉄道ファンの間で使われ始めたネットスラングで、列車の緊急停止や運行トラブルを指す表現としてじわじわ広がっています。
特に「神立試単が北千住でテモった」というXの投稿をきっかけに注目が集まり、検索する人が急増しています。
この記事では、その投稿の背景から「テモる」の意味、過去の事例、そして撮り鉄との関係までを、専門的な視点も交えてわかりやすく解説していきます。
「テモる」とは何?SNSで急浮上したネット用語

SNSで突如として話題になった「テモる」という言葉。
一体どこから来て、どんな意味があるのでしょうか?
「神立試単が北千住でテモりました」の投稿とは
2025年7月、「神立試単が北千住でテモりました」というXの投稿が拡散され、多くのユーザーが「テモるって何?」と注目しました。
文脈から察するに、鉄道の運行に関する異常事態が起きた様子が読み取れます。
この投稿をきっかけに、SNSでは「テモる」という言葉の意味を考察する動きが広がり、鉄道ファン以外にも関心が波及する形となりました。
「テモる」という言葉が広がった背景
この投稿だけでなく、過去にも同様の状況で「テモった」という表現が使われており、それがじわじわとネット全体に広がった形です。
撮り鉄など鉄道ファンが、列車の緊急停止や運行支障を表す場面で自然発生的に使い始めたと見られます。
ネットスラングとしての定義は未確定ながらも、現場での実例を通じて共通認識が生まれつつあることが特徴です。
テモるの意味とは?SNS投稿と実例から考察
「テモる」という言葉の意味を知るには、実際に使われた具体例を見ていくことがいちばん確実です。
武蔵野線での緊急停止と「テモる」の関連性
2025年3月、武蔵野線で緊急停止が発生し、これに対してSNSで「テモった」という言葉が使用されました。
原因は車両の異音確認による非常停止信号の受信とされ、運行に5分以上の遅れが発生しています。
文脈から、「テモる」は列車が何らかの異常により停止した事態を指す言葉として認識されていることが分かります。
機関車ラストランでの「テモる」使用例
2024年11月、機関車のラストランに多くの鉄道ファンが殺到した際にも、「テモる」が使われました。
ファンの一部が線路際に近づきすぎたことで、列車が2度緊急停止し、その様子がSNSで「テモった」と表現されました。
このように、「テモる」は異常な状況や人為的トラブルによって列車が止まる場面で使われる傾向にあります。
鉄道の運行トラブルに使われる新語?
これらの事例から、「テモる」は鉄道に関する突発的な停止や混乱を指す俗語として使われていると考えられます。
正式な鉄道用語ではありませんが、現場の体験者がリアルタイムで共有するなかで定着しつつあるのです。
SNS特有のリアクション文化と鉄道ファンコミュニティの融合が生んだ、新しい表現といえるでしょう。
「テモる」は撮り鉄が使うネットスラングか?

「テモる」という言葉が特定の趣味層で使われるネットスラングなのかどうか、ここから見えてきます。
一般辞書や専門誌に掲載されていない理由
「テモる」は現在、広辞苑や鉄道辞典などの公式な資料には掲載されていません。
その理由は、まだ一般化していないネットスラングであり、特定のコミュニティ内だけで使われているからです。
特に撮り鉄の間で使われる非公式な言葉として認識されており、用例や定義も統一されていないのが実情です。
撮り鉄用語との共通点と用法の特徴
「テモる」は「ウヤ(運休)」「カブる(被写体に別の列車が被る)」などと同様に、撮り鉄が使う専門的な俗語とよく似た特徴を持っています。
現場で発生したトラブルや予想外の出来事に対し、仲間内で共通認識として機能する点が共通しています。
また、SNSでの拡散により、一部の用語はネット全体に浸透することもあります。
「テモる」ような事態が生むリスクと法的責任
「テモる」と呼ばれるような状況は、実は法的な問題に発展するリスクもはらんでいます。
非常停止ボタンの乱用による書類送検の事例
実際にあったケースとして、撮影目的で非常停止ボタンを押し、列車を遅延させた高校生が書類送検された事件が報道されています。
鉄道会社の運行管理業務を妨げる行為は「威力業務妨害」として立件される可能性があるため、趣味であっても軽はずみな行動は禁物です。
緊急装置の誤使用は公共の信頼を損なう行為とみなされるのです。
線路立ち入りや危険撮影の法的リスク
線路内への無断立ち入りや、列車接近時の危険な撮影行為も、鉄道営業法や軽犯罪法に抵触する恐れがあります。
特に、車両との距離が極端に近い「スレスレ撮影」は、運転士が非常停止を余儀なくされる危険な状況です。
過去には、ラストラン列車の運行中に立ち入りが原因で緊急停止した事例も報告されています。
鉄道運行妨害とその重大性について
鉄道の運行を妨げる行為は、内容によっては刑法の「往来危険罪」や「汽車転覆罪」に該当することもあります。
運行ダイヤの乱れだけでなく、乗客の安全や企業の損失にも直結するため、非常に重い問題です。
趣味がきっかけでも、公共交通に関わる以上、責任ある行動が求められます。
鉄道ファン・撮り鉄が使う他の隠語・俗語
「テモる」以外にも、撮り鉄の世界には独特な言い回しや専門用語が多く存在しています。
ウヤ・カブり・ケツ撃ちなど代表的な用語
たとえば「ウヤ」は運休を意味し、「カブり」は狙った列車に他の車両がかぶってしまうことを指します。
また「ケツ撃ち」は列車の後方を撮影することを意味する撮影スタイルです。
これらの言葉は撮り鉄同士のコミュニケーションで使われ、現場での撮影状況を簡潔に伝えるために重宝されています。
撮影マナーとファン文化の境界線
一方で、言葉の裏には撮影ルールや現場マナーも内包されています。
たとえば「置きゲバ(三脚の無断設置)」はマナー違反とされ、施設側から注意喚起されるケースもあります。
撮り鉄文化を守るためにも、共通用語を使いながら節度ある行動を心がけることが、ファン同士の信頼関係にもつながっていきます。
「テモる」の今後とネットスラングの広がり
今は一部で使われている「テモる」ですが、今後の定着や他分野への波及も考えられます。
鉄道用語として定着する可能性
「テモる」が今後鉄道ファンの間で広く使われ続ければ、鉄道系メディアや専門誌に取り上げられる可能性もあります。
もともと「カブる」「ウヤ」などもスラングから定着した言葉です。
SNSでの継続的な使用が続けば、撮り鉄用語として定着し、非鉄道ファンにも知られる言葉になるかもしれません。
他ジャンルへの派生や意味の変化の兆し
また、「テモる」という語感のユニークさから、鉄道以外のジャンルでも新たな意味で使われる可能性があります。
たとえば、イベントの突然の中止やトラブルに「テモった」と使うような展開も考えられます。
ネットスラングの特徴である「拡張性」や「文脈依存性」が、言葉を変化させていく土壌となります。
よくある質問(FAQ)

「テモる」の語源は何ですか?
現時点で明確な語源は確認されていませんが、「非常停止ボタン(テンモ)」との関連性や、擬音的な語感から派生した可能性が考えられています。
撮り鉄界隈で自然発生的に使われ始めた俗語の一種です。
「テモる」はどんな場面で使うのが正しい?
主に列車が緊急停止したり、予定外の停止や遅延が発生した場面で使われます。
単なる遅延よりも、突発的で混乱を伴う状況を強調する語感があります。
撮り鉄以外でも「テモる」は使われていますか?
現在は主に鉄道ファンや撮り鉄の間で使われている用語です。
ただし、SNSでの拡散によって、一般ユーザーの間でも意味が通じ始めている傾向があります。
緊急停止と「テモる」はどう関係する?
「テモる」は、列車の緊急停止や異常対応による停止を指して使われることが多いです。
異音の検知や線路内の危険確認など、通常の運行を妨げる状況と密接に関係しています。
まとめ
「テモる」はまだ新しいネットスラングですが、鉄道ファンのあいだでは着実に浸透してきています。
SNSでの拡散を背景に、今後はより多くの人に知られる言葉になるかもしれません。
ただし、言葉の背後には鉄道の安全性や公共性に関わる重大な側面もあります。
言葉だけでなく、その背景にある責任やマナーについても正しく理解しておくことが大切です。